【ウソ】

いつのどこだったか、こんな物語を読んだような気がします。

 

あるとき、ウソつきで小悪党の男が死にました。

男は天使の裁きでなぜか天国へ行くことになりました。男は「この天使、なんか勘違いしてやがる。

でも運がいい」と思い、だまって裁きにしたがいました。

 

天国に行った男は毎日おもしろおかしく暮らします。

欲しいと思ったものは食べ物でも酒でも美女でもなんでも手に入ります。

くる日もくる日も酒宴をして好きなだけ寝て働く必要もありません。ここではけして病気にはかからないし、永遠に老いることなく死ぬこともないという。

男はすっかり満足します。

 

やがて数ヶ月が過ぎ、男はだんだん退屈になってきました。

なにか面白いことはないかと考えてみますが、考えたことはすぐに実現してしまいますからすぐに飽きてしまいます。

 

こんなところで永遠に暮らすなんて冗談じゃない。

男は天使を呼び出し、文句を言います。

「やい天使、おれは本当は大ウソつきの大悪党で、天国に来るようないい人間なんかじゃない、地獄に行くべきなんだ。おれをはやくここから出して、地獄へ送りやがれ!」と。

 

すると天使は答えます。

「おまえは、ここが天国だと思ったのか? それに、私が天使というのも、ウソだ」