
大晦日といえば、ベートーヴェンの第九がよく聞かれます。
ベートーヴェン生涯最後の交響曲となった9番は、もはや彼の遺作というより人類の遺産でありましょう。
コーラスが入る第4楽章は当時の交響曲としては異例の展開で、この詩はドイツの歴史学者・詩人シラーの『自由の讃歌』から採られています。ドイツ語の Freude(フロイデ)は歓喜、喜ぶ笑顔のこと。
An die Freude 「歓喜に寄せて」
時代が鋭く分断したものを
喜ぶ笑顔の神秘が、再び結びあわせる
すべての人々は兄弟となる
ひざまずくか、もろ人よ?
創造主を感じるか、世界の者どもよ
星空の上に神を求めよ
星の彼方に必ず神は住みたもう
熱烈な自由主義者であったベートヴェンは当時起きたフランス革命を支持し、その反動による自国の貴族特権の復古に危機感を覚えていました。
9番を作曲したとき、難聴が進む彼の耳はもう完全に聞こえなくなっていたといいます。作曲家にとっての闇の中、魂の光がふり注いだ曲と歌。またも分断が進む世界中が、いま傾聴すべき歌ではないでしょうか。
今年1年間もいろいろありました。いいこと、悪いこと、いいこと、いいこと。
なかでも、皆様とともに成長できたこと、このFacebook上にて身の程を弁えず皆様に発信できたこと、何よりの幸せでした。ありがとうございました。
来年も良い年にいたしましょう。
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