【細菌とウイルスの違い】

● 細菌    

直径 1μm  (μm=マイクロメートル:1mの100万分の1 参考:赤血球の直径は8μm)

自分で一つの細胞を持つ単細胞微生物。栄養源があれば自己増殖できる。

人に有害な菌もあるが有用な菌もある(納豆菌、抗生物質等)。

人体の皮膚の表面や腸などには多数の細菌が住んでおり生体活動を助けている。

人に有害な細菌は大腸菌、黄色ブドウ球菌、結核菌など。

 

● ウイルス

直径 0.1μm以下 (細菌の50~100分の1の大きさ)

微生物と異なり細胞(細胞壁、細胞膜、細胞質、核等)の構造をを持たない。

細胞を持たないので他の生物の細胞に取り付かなければ増殖できない。

遺伝子である核酸(DNAかRANのいずれか)を持ち、周囲をタンパク質の殻(カプシッド)で包まれている(この構造をヌクレオカプシッドという)。

ウイルスの複製に必要な遺伝子情報がゲノムにコードされている。

ウイルスの種によってはヌクレオカプシッドの外側に脂質と糖タンパクからなる皮膜(エンベロープ)を持つ。

エンベロープのタンパク質はウイルス自体であるが、脂質は宿主細胞由来である。一般にエンベロープはアルコールや石鹸など脂質を溶解する消毒薬に対し感受性が高く、エンベロープを持たないウイルスは不活化されにくい。

経口感染するウイルスは腸管内で胆汁酸に溶解されないためにエンベロープを持たない。

 

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細菌は独立した生物ですが、ウイルスは生命というより遺伝情報を有したある形式のタンパク質の粒です。ウイルスがヒトの細胞に取り付くと細胞内で自分のコピーを作らせ、細胞が破裂して多くのウイルスが飛び出し他の細胞へ取り付き・・・を繰り返して増殖していきます。

人に有害なウイルスはインフルエンザ、ヘルペス、エボラ、HIV、コロナ(SARS、MARS)、ジカ、日本脳炎、狂犬病、天然痘、水痘、麻疹、風疹、B・C・D型肝炎、狂犬病、ヒト免疫不全、T細胞白血病等で、これらはエンベロープを持つので消毒手洗いで機能を弱めることができます。また肺に吸い込まず食道から胃に流すことで胃酸で破壊されます(ポリオ、ノロ、ロタ、A型肝炎ウイルスはエンベロープを持たないので腸内に入っても不活化しません)。

患者がマスクをつけるのは飛沫飛散防止に意味がありますが、ウイルスはとても小さいので通常のマスクで侵入は防げません。患者以外がマスクをつけると数を不足させるだけです(シンガポールでは患者以外のマスク着用が禁止になりました。違反すると罰金あり)。ウイルスは大きさや仕組みが細菌と異なるので抗菌薬(抗生物質等)は効きません。時々テレビ等で言われる除菌という言葉は適切ではなく除染または消毒が正しい言い方となります。現在抗ウイルス薬は少数しか開発されていません。コロナに効くという食品・薬品に騙されないようにしてください。

もっとも効果があるのは自身の免疫機能です。おいしいものををたくさん食べて適度な運動をし睡眠をしっかりとってください。