【出会いというもの】

1895年、アメリカ・ボルチモアの貧しい家庭に、一人の少年が生まれました。

病気がちの母親、子供に関心のない父親にほとんどかまってもらえなかった少年は、やがてとんでもない不良になってしまいます。わずか5歳で酒を飲み、タバコを吸い、車に卵を投げつけたり、警官をバカにしたり、毎日ケンカや盗みなど不良仲間と悪いことばかりして、もちろん学校へなんか行きません。

ついに親の手に負えなくなり、7歳のとき孤児院へ入れられてしまいます。

孤児院で少年は教育係の神父に出会います。神父は身長198センチ、体重113キロという大男で、とても豪快で陽気だったので、子どもたちに慕われ、皆に勉強やスポーツを教えます。

少年もとくに野球に熱心に取り組み、どんどん上手になっていきました。

孤児院で12年間を過ごし、投手をしていた少年の試合をたまたま見ていたプロ野球選手が、「すごいやつがいる!」と自分のチームの監督に連絡を取り、19歳でプロ野球選手になることができました。

少年がもし神父と出会わなければ、プロ選手に見かけられなかったら、いったいどうなっていたでしょう?

少年の名はベーブ・ルース。誰もが知るアメリカのスーパー・スター。伝説のホームラン王は、最初はピッチャーだったのです。