【知能は変わる】

ほんの100年ほど前まで、人類社会は数千年来にわたり、奴隷とか、農奴という制度を持っていました。人が人を家畜か道具のように扱うのです。自分の営みのために。現代人からすれば、人権とかあらゆる面で考えられない制度ですよね。けれどいま私たちから見てそう思えるのは、現代人の教育水準が上がったから、そうなのであって、これは、当時の抑圧された側の人々には、そのように考えられるだけの知的な体系がなかったために、成り立っていた制度です。

 

やがて20世紀になると、会社や工場に雇われて労働するということが当たり前になります。奴隷制廃止は、資本家の人権意識が進んだからではなく、いやいや働く奴隷の使役は、意外と非効率で生産性が悪かったからで、それよりも、労働者にインセンティブを与えて、読み書きの基礎的教育を施し、自主的に働かせた方が、能率がいいことがわかってきたためです。

 

21世紀になり、より万人に教育が進み、昨今では、上から与えられる一様のインセンティブに各人が同意できなくなり、会社への忠誠心は希薄になり、経営者や株主だけが稼ぐための(ように見える)ことに、自分の時間を犠牲になるなんて、馬鹿げている、非正規雇用だとか社畜とか、自らを憐憫することが増えています。

 

おそらくこれも、各人の思考する水準がさらに上がってきたから、そう思えるのでしょう。

よって、この前提を考慮せず、近頃の若い人は根性が足りないとか継続性がないとか否定するのは、まったく的外れであって、彼らは、その頑張りを行う理由がないということに気づいていて、先人より賢くなっているのです。

 

ですから経営者や執政者は、そういった人たちが居やすい、活動しやすい環境を構築できる人が、勝っていきます。そのためには、各人の個性を知ることが絶対に必要。また、働く側も、自分がよりよく生きるために、リーダーの個性を見極めることも、また必要なスキルなのです。