【存在論】

運命などというのは無いのでしょうか? 同様に宿命や幸運や不運といったことも。

生物学や物理学、生化学や神経科学といった自然科学的見地からすれば、おそらく無いでしょう。なぜなら科学が扱う分野ではないですから。

 

科学では存在しないことといえば、人権や権利や平等概念や道徳や国家や法律や宗教や哲学や思想や快楽や苦痛や経済や通貨価値も存在しないでしょう。なぜならそれらはすべて人間が共同の知識で作った形而上での取り決めを紙などに書いて皆で信じているだけのことで、事物として客観的には存在しませんから書類以外のいかなる物証をもってしても立証できません。そしてこれは皆の合意であるからこそ時々変更されます。なんとなれば数字や文字や言語自体も創作物を合意したものですから、科学を説明する手段や思考そのものもいわば人間の勝手な解釈です。宇宙人から見たら無いのと同じです。

 

けれどそれらは現に我々の住む世界に決定的な影響を与え、人生を支配しています。いまや現代人のほとんどの時間と労力を形而上の営みに当てさせています。

 

ですから運命というのもまた、物に然らざれども存在しているのです。