【運命の不条理】

東日本大震災から8年が経ちました。

 

地を這う泥土の津波、ゴミのように押し流されていく家屋や車、にゃり揺れる高層ビル、夜空を赤く染める災に、帰宅難民がバス停に並び続ける姿など、あの日カメラが捉えた自然災害は、人間どうしようもない不条理が現に起こりうるという当たり前の事実を、いまさらながら突きつけました。

 

東北の小雪の中、ささやかに生きる人々や、子供たちが、死んでいった。

彼らが罰を受けねばならぬどのような罪があったというのか?

運命に絡まった不条理と、人はどう闘い続けるのか。

 

一方で、原発災害という人間が起こす不条理も根本的に放置されたままです

五輪スタジアムや豪華な建物や交通網など、首都圏が発展するのはけっこうなことですが、同じ国の中に、自宅に帰れず、2年しか耐用年が想定されていない仮設住宅で寒さや雨漏りやカビに悩まされながらいまだ住み続けている被災者がいるということを忘れてはなりません。

 

人はいつか死んでいなくなるけれど、不条理はなくなることも、消えることもありません。

運命の中の不条理と闘い続けることが、私たちにできる、犠牲者を含めた私たち自身への鎮魂なのです。