【首なし幽霊】

筆者が小さな子供の頃です。

毎年夏休みになると、姉と二人でよく田舎の祖父母の家へ遊びに行きました。

田んぼの中の古い木造家屋で、夜寝る部屋には蚊帳がかかり、その中に祖父母と姉と四人で川の字に並んで寝ました。

 

ある日の夜半、姉がしくしく泣いているのです。

祖母が起きて「なんや? どないした?」と尋ねると、蚊帳の外に、首なし死体の、幽霊がいると言うのです。

暗闇の中、目を凝らしてよく見ると、衣紋掛けにかかった着物でした。

 

祖母は、

「死んだもんのなにが怖いんや。生きてるもんが、怖いんや」

とひとこと言って、さっさと寝てしまいました。

 

小さな私には、祖母の発言の方が怖かったです。

 

 

ABD個性運命学