【ゴースト?】

意思決定に関する脳の役割について、カリフォルニア大学を中心に’80年代から始まった一連の研究の中、fMRI等を使った実験で次のようなことが確認されています

 

実験: 被験者は自分の意思で指を動かそうと考えて、じっさいに動かすとする。

 

自分の意思で指を動かそうと”思った”時(1)

 

脳で指を動かす運動の信号が発生した時(2)

 

実際に指が動いた時刻(3)

 

この発生はどのような順序かというと、直感的にはこのままの順であると思えるが、実験の結果では(2) - (1) - (3)の順で起きていた。

 

運動の司令信号(2)は、被験者が意思決定(1)した0.35前に発生していたのである。

 

この実験結果を素直に受け取れば、いわゆる「自由意志」というものは無い可能性が出てくるので非常に納得しにくい。

 

しかし、実験結果はむしろ当然ともいえる。

かりに意思決定がいちばん最初に発生し、それにより脳活動がはじまるなら、最初に意思決定を下したのは脳ではないことになる。

 

ではいったいそれは何なのだろう? 

脳から独立した精神だとか心によってということになると、科学としてはよけいに受け入れられなくなってしまう。

 

私たちが知覚する風景は、「現在よりすこし遅れている」ことが、他の実験によって知られている。視覚による「今の風景」の認識は、じっさい目で見た0.1秒以上過去のものだ。

 

聴覚は0.05秒、触覚は0.03秒と、視覚よりも認識が早いが、音と映像と触り心地が同時に知覚されるのは、脳が各種情報を補正し統合しているためだ。

 

また逆に、ある方向へ進んでいる対象を脳が予測して、実際より未来を見てしまう傾向もある。

 

サッカーの線審がオフサイドの判定ミスを犯すのはこの機能のため

 

これらの実験結果は、カナダの社会心理学者D・ダットンやアメリカの心理学者のS・シャクターらも他の実験で同じ解釈を得ていて「情動二要因論」と名付けられていが、脳による意識は、私たちの行動や思考を決定しているのではなく、むしろ自分自身のおかれた状況や思考、行動を把握するためのチェック機構としてしか機能していないのかもしれない。

 

となるとこれは、楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しい気分なると言えるだろう

 

でも、じゃけっきょく、私たちの意思や行動を決めているのは、いったいなんなのだ??