【鴨長明『方丈記』】

昨日のついでなので、『方丈記』の冒頭もどうぞ。

 

行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。世の中にある人とすみかと、またかくの如し。玉しきの都の中にむねをならべいらかをあらそへる、たかきいやしき人のすまひは、代々を經て盡きせぬものなれど、これをまことかと尋ぬれば、昔ありし家はまれなり。或はこぞ破れてことしは造り、あるは大家ほろびて小家となる。住む人もこれにおなじ。所もかはらず、人も多かれど、いにしへ見し人は、二三十人が中に、わづかにひとりふたりなり。あしたに死し、ゆふべに生るゝならひ、たゞ水の泡にぞ似たりける。知らず、生れ死ぬる人、いづかたより來りて、いづかたへか去る。又知らず、かりのやどり、誰が爲に心を惱まし、何によりてか目をよろこばしむる。・・・・

 

 

と、延々と続きますが、そのようなわけで、鴨長明さんは、無常の世の中、わしゃもう家とか世間体とか、見栄なんてどうでもいいや、と、神社の境内に縦横方1丈(約3.03m)のあばら屋を立て掛けて住むようになったのだそうですが、たぶん、落魄し家を失ったことの言い訳なんでしょうね(笑)