【一体化】

昨日のまで話しとは別の対人方略に、「自分は有名人と知り合いだ」というのも多いですね。

 

「綾●はるかは同級生の元カノだ」とか「イ●ローは、むかし三宮でよく一緒に飲んだで」とか。

また逆に、知っているのに知らないふりをする人もいます。

「伊●見くん? そんな人は知らないな」とか。

 

「僕はむかし鈴●京香と付き合っていて、いまも彼女が結婚しないのは、今でも僕のことを好きだからかな」

と、銀座のクラブで主張している老人のお客がいました。

(これはあまりにも極端な例ですが、今年の夏頃、飲み屋の隣席でなされていた実話です。もちろん応対するホステスは、いちいち反論などしません)

 

グルメの有名店にいろいろ行ったことがある自慢も、よく聞きます。食文化に精通していると見られたいのか、女の子を誘いたいのかわかりませんが、三つ星すべて行ったなどと自慢しても、別にその人が料理しているわけではありません。

 

聞いていてうんざりする話題ですが、これらを行う人の目的は、アイデンティティを外部に求める方略で、「一体化」と呼びます。

自らのアイデンティティの主張が行い難い、もしくはたいしたものが存在しない場合、外部のよりおおいなるもの、有名なもの、強いものなどと、自らを一体化しようとする試みです。また逆に、知らないふりをする、そんな小物など眼中にない、ふりをするのも、自分は大物だと演出しようとする応用例でしょうか。

一体化の最たるものが国粋主義ですが、イギリスの文学者サミュエル・ジョンソンが「愛国心はならず者の最後の砦」と言った意味はそういうことですね。

 

いずれにせよ、やっている本人が考えているほど、これらの方略はさほどの効果もありません。しかしそれでも使い続けるのは、面と向かって否定してくれる相手が少ないからでしょう。子供の頃は、変な言動があれば、友達同士で残酷に指摘しあうものですが、大人になるとそんなことに角を立てるのは、なるべく避けられるようになりますね。

 

このような一体化や防衛機能は、多かれ少なかれ誰でも行なっています。それがないと自分のアイデンティティを成立させることができないからです。アイデンティティを依拠させている先が自分由来のものか、全く他人のものか、が、みっともなさを分ける境目なのでしょう。

 

そこで、意外と効果があるのに、あまり多用されていない方略があります。

何だと思います? また明日。

 

 

ABD個性運命学