【自我防衛】

また昨日の話の続きですが、対人関係における私たちの日々の方略は、当然ながら「セルフ・ハンディギャッピング」のみではありません。

 

星里奏先生の著書にありますが、「自分は運が悪い」など主張する男は、「仮に運が人並みなら、自分も人並みか、または人より上手くやれるのだ」という「仮説」を提示したいのです。

これは、失敗などの原因が自分自身にではない何かにあるとする主張で、自尊心を傷つけられまいとする自我の「防衛機能」と呼びますが、そのためには「運」さえも利用するという、見るも無残な方略です。

 

自尊心(アイデンティティ)の防衛機能には様々な類似形態が見られますが、ギャンブル依存症の原因ともなっています。

ギャンブル依存症の人の心理は、お金をつぎ込んで負け続けて、たまに勝ったときも「喜ぶ」のではなく、「安心」するのです。

負け続けるのは、様々な外部要因(運を含む)が、勝負を邪魔したのであって、それらが存在しない本来の状態であれば勝てたはず(=自分の仮説)、という信念があるのです。

 

わかりやすく例えていうと、分かれ道で、どちらか解らないけれど一方を選択して、何キロも歩いたところで「間違っていたかな?」と不安になっても、これまでの考えや行為が無駄になるのを恐れ「この道であってほしい」と強く念じつつ、引き返さずに進み続けるのと同じですね。

ので、たまに勝つとお金が儲かって喜ぶというよりも、自分の仮説が正しかったことが確認され、安心してより信念を得て継続し続けるのです。

 

人の心とは、これほど頑迷なもので、『チーズはどこへ消えた?』という本がありましたが、自分の個性も知らず、欲するチーズの選択を誤って突き進むと、たいへんなことになります。

 

 

長いので明日に続く。

 

 

ABD個性運命学