
欲望がなんでもかなう全能状態であった赤ん坊は、そのうち、人生における「挫折」を味わいはじめます。
ある欲求の、泣けども叫べども、自分の望みが聞いてもらえない。自分の身体の一部分であるはずの母親が、自分の思い通りに動かない。いわんやときにはしつけと称し、不快な攻撃を加えてくる。
禁止され、挫折の数々を知り、この世界は、もしかして、自分とは、別個のものであろうことを(外界が存在することを)理解しはじめます。
この広大な得体の知れぬ世界に、体ひとつで放り出された、孤独な自分。怖るべき残酷さ、非情さ。その宿命の前に、ただ愕然とするしかないのです。
しかし、挫折を味わわなければ、学ぶことはできません。
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