【空樽】

ディオゲネスの逸話はみなさんご存知かと思います。

 

古代ギリシアの哲学者ディオゲネスは、一切の財産を持たず空樽の中に暮していました。

紀元前336年、コリントスを訪れたアレクサンドロス大王は、家庭教師であったアリストテレスからディオゲネスの噂を聞いて、大王の方からディオゲネスを訪ねます。

彼は広場の隅で日光浴をしていました。黙って座っているディオゲネスに、大勢の共を引き連れた大王が挨拶をします。

 

「私は大王のアレクサンドロスだ」

「私は犬のディオゲネスだ」

 

大王が、

「私があなたになにかしてあげられることはないか?」と尋ねると、

「あります。そこをどいてください。日陰になっていますので」

と答えた。

 

帰途、大王は部下たちに「私がアレクサンドロスでないなら、ディオゲネスになりたい」と言ったそうです。