【学ぶ】

人間、勉強するのは必要ですが、勉強するというのはある方向性の考えを自分に植え付けるということ。それは思想改造でもあり、洗脳でもある。

 

16世紀初頭、メキシコや南米へ上陸したスペイン人やポルトガル人は、文字を持たず裸同然の原住民を徹底的に野蛮人として蔑みました。

なにしろ原住民は、嘘をつかない、隠し事をしない、勇気を最大の美徳とし、夫婦や仲間で完全に信じあう。健康で労働に素直に従う人々でしたから、ダマすのはとても簡単。略奪し、奴隷にし、虐殺し、徹底的な搾取を続けました。

 

ところが、そうこうしているうちに、ヨーロッパ人の側から反省が生まれます。

いったい未開であるということは野蛮と同義なのか? 彼らは無知だが、それは自然で素朴ということではないのか? 彼らのモラルはヨーロッパ人よりも健全で高いのではないか?

 

そうした考え方は、やがてルソーの『自然に帰れ』やトマス・モアの『ユートピア』、モンテーニュの『エセー』を生み出します。

ヨーロッパ人は、キリスト教徒の自分達だけが正しい、という閉塞社会から醒めはじめ、それはルネッサンスから宗教改革へ、暗黒の中世から近代への幕開けへと発展していきました。

 

学ぶとはどういうことか、を考えさせられます。