【殺人事件】

師走に入りまして、いきなり暗い話。

殺人事件についてです。

 

近年、日々の報道を見ていると、不可解で凄惨な殺人事件が毎年恒例のように起こって、世情を不安に陥れています。

 

しかし意外かもしれませんが、我が国の殺人事件の件数は、戦後から毎年一貫して減少し続けています。

1950年には2000件超だった事件数が、90年代になると年間1100から1200件と横ばい、2009年以降さらに減って1000件以下になりました。(いずれも検挙件数。警察庁の統計)

 

実は治安はどんどん安全になってきているのです。

ではなぜ、そのようには思えないのか?

 

近年の殺人事件の実態で増加傾向にあるのが、親子、兄弟、配偶者同士などの「親族間」殺人、そして「知人同士」間の殺人です。

 

「親族間」の殺人は、以前は殺人事件全体の40%前後で推移してきましたが、2004年を過ぎると上昇、2013年では53.5%まで増加しました。

また、知人同士の殺人も増加していて、2013年では全体の40%近くを占めます。

 

つまり現代では、殺人事件の9割以上が「親族間」「知人同士」という顔見知りの間で発生していて、まったくの他人からの被害は全体の1割以下なのです。

これは殺人事件の全体件数が減っているので、顔見知り同士の殺人の占める割合が増すばかりではなく、事件の実件数そのものが増加傾向にありますので、より身近な不安感、不信も増しているということなのかもしれません。

 

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そして更に、殺人事件よりはるかに多いのが自殺です。

 

我が国の自殺者数はちかごろの景気回復に伴って低下傾向* にありますが、それでも2016年の全自殺者数は2万1897人でした。

国際的にも日本は自殺者の多い国で、10万人あたりの自殺者数は世界で6番目に多く、若年層の自殺と事故の死亡率を先進7カ国で比較すると、自殺が事故を上回ったのは日本だけです。

 

 

以上ことから得られる結論ですが、我々日本人が生きることに関して危険な相手というのは「身内、知人」、そして、もっとも危ないのが「自分」ということです。

 

これはどういうことでしょうか。

 

赤の他人より知り合いのことを知らず、知り合いより身内のことを知らず、身内よりも自分のことを解らない。

そういう、現代日本人なのではないでしょうか。

 

 

*失業率と自殺者数とは、非常に強い相関関係にあります。

 

ABD個性運命学