【シュメル神話】

「光る蛇が空から落ちて、大水がすべてを流し、そのあと大地がすっかり寒くなった」 :(中米・オルメカの神話詩)

 

 

《シュメル人の宗教神話》

 

はるか昔、地上に降りた神々は、日々の労働が嫌になって、それを代わりにやらせるために「人間」を作ることにした。知恵の神エンキ神は、人間を作るまでに5回失敗し、6回目に完成させた。

完成した人間の娘があまりに美しかったため、神々が人間の娘とセックスしてしまい、生まれた子供は巨人になった。巨人たちは力強かったが知能が低く、巨石建造物の建設などに使役された。

高い知性と科学を持った神々は、人間とともに地上に楽園を作りあげ、毎日楽しく暮らしていた。

 

地上の様子を見て怒った天の神々は、人間も巨人も滅ぼしてしまおうと、大洪水を送ることにした。この神々の決定に、人間に同情したエンキ神は、良い人・ジウスドラに、こっそり生き残る方法を教える。ジウスドラは大きな船を作って、すべての生命のつがいを乗せ、大洪水を乗り切った。

 

 

この方舟の神話は旧約聖書に受け継がれていますが、大洪水以降の最初の文明が、シュメル人の国家です。

冒頭に記した詩のように、洪水伝説はメソポタミアばかりでなく、小アジア、エンジプト、北米や南米の原住民の神話にも、似通った伝承が見られます。

考古学者は、ギルガメッシュ叙事詩などに見られる洪水伝説を、チグリス・ユーフラテス河の氾濫と結びつけて解釈しますが、しかし最近の発掘によって、紀元前11000年ごろ、寒冷化を引き起こすほどの隕石* の衝突によって、地球規模の大洪水が実際にあった痕跡が、北米や北ヨーロッパなど、世界各地の地層で発見されています。同時期の「ヤンガードリアス氷河期」と呼ばれる短期間の氷河期は、いまだ発生原因が解明されていません。

 

シュメル神話は、あながち作り話ではないのかもしれません。

 

神々の王、エンリルは、怒りと罰で地上に破滅をもたらす神。

知恵の神エンキ(エア)、太陽の神ウトゥ(ギビル)は、人間に恩恵をもたらす神。

 

人の王は神ではなく、あくまで祭祀王で、神々の意志を正確に知って、政策に生かさなければなりません。王が神の正義を遂行しなかったとき、エンリルが洪水や外敵を送って政体を滅ぼしました。

 

それにしても、どうして大昔の先人は、このような神話を後世に残したのでしょう?

 

 

※ ABD協会のFBタイトル写真で、左上がエンリル、その右横がエンリルの息子で農業と戦いの神ニンウルタ、中央段真ん中が太陽神ウトゥ(ギビル)、中央段右端がエンキの息子でバビロニアの最高神マルドゥックです。()はアッカド語称。

この図像はバビロニア時代のもので、シュメル時代の図像には、最高神アンとエンリルの姿は表現されていません。

 

※ この隕石(小惑星)のことを、新バビロニア人たちは「マルドゥック」と呼びます。

 

 

 

ABD個性運命学