ゲームの法則によれば(その説明は長くなるので割愛します)、ある戦略で抜け駆けするプレイヤーは、マイノリティ(少数者)のうちは勝ちを得るけれども、やがて皆がそれを真似しはじめて、ある閾値を越えるとその戦略はまったく無価値になる、ということを数学的に教えてくれます。
私の知り合いの経営者のじっさいの話ですが、東京で企業向け人事コンサルのいい仕組みの商売を思いついて、起業して数年で市場を独占、大企業相手に毎年数十億の売り上げを達成し、仕入れもなく損金といえば人件費と家賃と諸雑費くらいな商売ですから、そりゃもうかなり大きな利益を得たようです。
そこから調子が出て、全国に営業拠点を50箇所、従業員も200人ほどに拡大し、美人の奥さんと結婚し一人娘もできて、白金に8億円の豪邸を建築しはじめました。
ところが、そんな商売はすぐに真似されちゃうわけです。
どんどん競合が現れて、首都圏の市場は独占できなくなってしまい、かつ地方には人事に高額なコンサルタント料を支払う企業なんてほとんど存在しないから、次々と営業所も閉鎖、白金の新築の家は建ったとたん住む間もなく二束三文で手放してしまい、いまは後始末の借り入れに走り回っているようです。
奥さんと子供はハワイに買ってあったマンションへ移住し、いずれ離婚するそうです。(ちなみに私が知り合いなのは元々この奥さんのほうなのですが・・・ ひどい女だ!)
まさにゲームの法則をじで行ったような顛末ですが、本人はきっといい経験になったことでしょうし、またしぶとく返り咲くことでしょう。
ブルーオーシャンだなどといったって、抜け駆け商売なんて、まぁそんなものです。
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