【数字の話し2】

会社で帳簿を眺めていると、複式簿記って、ほんとによくできているな、と思います。

 

詳細を見るまでもなく、B/SやP/Lの試算表を理由もなく何時間も睨みつけていると、事務員の伝票の入力ミスまで発見できます。なぜかというと、数字に違和感があったりして、なんとなく美しくないのです。

また、各取引の数字の出入りを見ていると、このお金を動かした誰それが、どういう状況に立会い、そのときなにを考えていたか、まで想起できます。

 

ゲーテは名著「ヴェルヘルム・マイスターの修行時代」の登場人物に、

「複式簿記・・・ 人間の精神が生んだ最高の発明の一つだね」と言わせています。

もともとイスラム商人やイタリア人によって発明されたといいますが、取引の二面性(原因と結果)を数字で表す、これほど優れたものはないと思います。

 

商取引における物やお金の交換は物理的なもので、それだけの記録なら単式簿記で十分ですが、その交換されたお金や物が、その商売や自分にとって現在どういった関係性や影響があるのかといった、極めて抽象的な概念を、数字として表す複式簿記は、ある意味ものすごく文学的な書物だと思えます。

 

ほんの数年前まで、我が国の財政が単式簿記であったことは、背筋が凍りつくほどびっくりする話ですね。

 

ABD個性運命学