【シュメル人の数学】

シュメル文明の中でも、とくに関心があるのは、人生を司る、時間、暦、方角といったことでしょうか。

 

時間を表す十二進法や六十進法、また円を360度と決めたのもシュメル人です。

なぜキリのいい十進法にしないのか、と思われる方も多いと思います。人間の指は10本だから、十進法の方が便利じゃないか、と。

これは、暦の元となる天空を「円」として考えると理由がわかります。10だと、いろいろ不便なことが出てくるのです。

 

「円」を二等分するのは簡単です。中心点をまっすぐ通る直線をひくだけです。次はその線に直角な線をひけば四等分、その一片を三つずつに分けて十二等分、とするのも簡単です。

もし正確さを求めるなら、コンパスだけあれば、円の半径で円周を切っていくと中心から六十度の角度で円は6つに分かれ、切った二点間の長さで両方の点から交点を求め中心から線をひけば二等分でき、12等分がつくれます(他の方法もあります)。

しかし、円を正確に10等分することは、分度器がない限り、かなり困難です。

 

循環する「時間」を表現するには、円を使うのが便利です。

自分から見た世界の方角も、円でしか考えられません。

私たちの主観は、自然界の円によって囲まれています。自然界を理知的に知ろうとすると、円に対して直角を作りやすい「12」という数字がベターです。

 

では六十進法はどうでしょう。1時間は60分、1分は60秒。

この位取りは、10と12の最小公倍数が、60だからです。

数える指のことも、ちゃんと考えてあるんですね。

 

日常生活になるべく端数を持ち込まないための、シュメル人の工夫なのです。