【真実】

言葉というのは面倒なもので、ある言葉の本来の意味が忘れられ、ふだんいい加減に使う意味が当たり前になって、やがて常用語で定着してしまうということは珍しくありません。

 

以前、某都知事が「都民は、ファクトを知りたい」とコメントしましたが、知りたいのは「トゥルー」です。

 

ファクトはFact(事実)で、トゥルーはTrue(真実)。

 

「ファクト(事実)」というのは、実はたくさん存在します。

ある人からは大きく見えるものが、ある人からは小さく見える、というのはよくあることですが、これは両方とも事実です。

同じ対象であっても、その人の経験や価値観で判断が異なるのですから、ある人がある言葉を述べた途端(それが嘘や間違っていることでも)、その発言はひとつの「事実」となります。

また「客観的な事実」などというのも、大した価値を持ちません。その客体から見た事実が増えるだけです。

ですから「事実」とは、人の数だけ存在しているのです。

 

「トゥルー(真実)」は、簡単にいうと、「本当のこと」です。

もともと仏教用語で「真理」「真如」と同じ意です。絶対的な本当ですから、真実は常にひとつしか存在しません。

 

世の中は常に真実がわかるわけではないので、人それぞれの事実と事実がぶつかり合い、どちらが本当ぽいか、ということを決めるのが裁判所の主な仕事です。

となると、マスコミや某知事が扱うであろう客観的な事柄にとって、正しい言葉の用法がどちらか、誰でもすぐわかることだと思います。

 

某有名探偵漫画の「真実はいつもひとつ」は、まったく正しい用法ですから、みなさん賢く使い分けしましょう。

 

 

ABD個性運命学