【世界征服】

さて、昨日冗談で出した世界征服ということについて、サブカル系評論家の岡田斗司夫という人が20年くらい前におもしろいことを書いていました。

 

むかしのマンガや戦隊モノに登場する悪役は常に世界征服という野望を目論んでいますが、具体的に世界征服が達成されるとはどういう状態なのか、またいかなる手段でそれを実現するのか、ということを考察していました。

 

おそらく、絶対的な武力をもってして競合者を蹴落とせても、世界中の最後の一人まで力で服従させることは不可能であるだろうということは歴史が証明している。

 

それだと抵抗勢力や革命勢力がいつまでもなくなることはなく、永遠の闘争があるばかりである。

 

じっさいの歴史上の独裁者や帝王がどのようにしてその地位を得たかといえば、力によってばかりではなく、住民の生活を安定させ、喜ばせ、満足させ、信頼させる、もしくはそのように幻想させることがもっとも肝要だ、ということです。*

 

つまり、世界征服者はこれまで存在したどの政体よりも善政を敷かなければならない、世界の住民の機嫌をいつまでも取り続け持続させていかなければならないから、かなり疲れる。割に合わない。

 

なんのために悪の結社はそんなことを目論むのだろう? というのが結論でした。

 

これってまったく同意できることですけれども、ということは世界征服されるってけっこういいじゃん、世界征服を目論む悪の組織を粉砕するヒーローって、ありがた迷惑なんじゃないの? 

 

などと思いつつ、今の日本もかなり征服されているような気がしてなりませんけどね。

 

* 古代ローマ皇帝もナポレオン独裁もファシスト党もナチスも武力によってではなく住民投票や憲法に則った正当な手続きで統治体制を確立しました。何も決められないワイマール議会がヒトラーに全権委任し議会を解散することにも同意して独裁体制に移行しました。

 

日本の先の戦争も軍部が暴走しましたがそれを熱狂的に支持したのは世論です。政府は軍部に負けたというより世論に押されたのです。その世論を戦争に一番煽っていたのは今では一番平和やリベラルを叫ぶ当時の朝日新聞でした(こちらはイデオロギーの転向ではなく今も昔も何がそのとき一番ウケるかによる商業主義です)。

 

よって民主主義は常に独裁体制を生む危険を孕んでいます。現在も衆参ねじれ国会とか、何も決められない議会というのは悪いことのように報道されますが、政治倫理は企業論理とは異なります。会社の取締役会がなにも決めないと社員は困りますが、議会とは本来、手続きを遅らせて独裁を防ぐためにあるのです。近頃は参院を廃止して一院制にせよなどと言う政治家がいますが、こちらは悪の手先というより商業主義でしかものが考えられないただのアメーバです。